『オーシャンズ』(ネタばれ注意)

 『オーシャンズ』をアポロシネマにて。
 この映画は、以前『WATARIDORI』を撮った監督の作品で、その『WATARIDORI』が大変よかったという噂を聞いていたので、仕事帰りに寄ってみた。
 
 すごいですねー。CGかと思った。ドキュメンタリーでも動物映画でもなく、エンターテイメントだった。
 夜の海の砂地を歩くオコゼとか、寝床に隠れるシャコとか、シャコにやられてひっくり返るカニとか(やたら、わざとらしい。カニのくせに)、貝にもぐりこむヤドカリとか、皆さんカメラ目線で、「え?ディズニーですか?」。実際には、ディズニーの方が生き物たちの動きを再現してるんだろうけれど(知らんけど)。海鳥たちの水中への突入と、浮き上がるときの泳ぎっぷりも、素敵でした。しかし、間近で見たら、さごかし恐いだろうなぁ。

 そして、この映画は途中で「環境問題」にも少々言及する。楽しい海の映像のあとに、サメ(フカヒレ)漁や捕鯨、養殖の網の映像が「残酷なもの」という位置づけで出てくる。それから、海洋汚染や温暖化のことも。
 でも、いわゆる「漁」と、海洋汚染や温暖化を、同じ「環境問題」というレベルで語るのには、無理があるのではないかと思ったりした次第。しかも、「生物が傷つく場面は、人為的な映像加工をしています」という最後の注意書き付きで。なんじゃそりゃ。
 
 私は、鼈甲を採るための海亀の乱獲を指示する立場にないけれど、例えばパラオの島民が昔から海亀を「ご馳走」として食べてきて、そのついでに鼈甲をとることを反対する立場にもない。同じように、大阪の居酒屋で「オバケ」を食べることを、反対する立場にもない。ようは「バランス」の問題だと思っている。でも、例えばフカヒレを採ることを生業としている人を非難することは、その背景にある経済格差やら貧困やら文化やら歴史やらを語らねばならない。昔ながらの「バランス」が保たれなくなったのはなぜ?という問いかけは、単なる「環境問題」として安易に取り上げるには、あまりにややこしくはないかと、余計な心配をしてみる。

 中途半端な「お説教」はいらなかったんじゃないの?というのが感想。
 美しいものを見て、それを愛おしみ考える「力」が観客にはあると、もうちょっと信じてもらってもいいと思います(いや、わからんが)。

 映画のなかで、ダイバーのすぐ横で悠々と泳ぐサメが、なんとも格好よかった。知らん顔なのに、なんか優しそうなんだな。たぶん、お腹いっぱいだったんだろう。
 あのサメになりたい、とか思った。
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by bag-tentomusi | 2010-01-29 00:33


「知彩庵」より。日々の咀嚼と、紡ぐことば


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