およばれ

 楽しみにしていた、京都へ行く日。
 前々から予定されていて、わくわくとしていたこと(もちろん逆もあり)が近づいて、当日になって、そして過ぎ去って行く。そういうことが何度もあって、月日が流れていくのだろうなぁ。必ず「その日」は来ることを経験的に知っていることは、当たり前みたいですごいこと。

 今日は、何て言うか、「およばれ」の日。
 「およばれ」って言葉はよいです。子どものときは嫌味ったらしく聞こえたものだけれど、大人になって「今日はおよばれやねん」っていそいそ出かける心もちは、悪くない。

 およばれ会場へ行く前に、襟屋さんに連れて行ってもらった。
 着物の半襟を昔から扱っておられる店だけれど、初めて「半襟やさん」が存在すると知ったときには、ちょっと感動的だった。半襟なんて首元にちょこっと見えるだけだから、呉服屋の片隅に「小物」としてちょちょっと売ってあるのかと思いきや、襟には襟の世界観とプライドがあるのだ。幸田文さんの小説『きもの』では、恋をした「貧乏な」和子さんが「紫銘仙の下に薄紅色のえりを細く見せて」いたりするわけで、昔の京都で人々がどんな気分で襟屋さんの暖簾をくぐったのかと想像したりするだけで、何か楽しい。(別の小説で、ずっと昔のアメリカでも「襟屋さん」に主人公が行く場面があったような気がする。あちらはドレスにつけるレース編み)
 そんなこんなで、平成の日本の私も襟を選ぶものの、相変わらずなかなか決められず。気がつくと「およばれ」仲間の姉さんたちに、ニコニコ笑って「はよ決めや」と取り囲まれてる状態。

 ほっこり買い物。夕暮れのなかを、「およばれ」へ。
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by bag-tentomusi | 2010-03-23 01:52


「知彩庵」より。日々の咀嚼と、紡ぐことば


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