西区の事件についてさらに想う

 ゴミを出そうと思って、新聞を読み返す。児童虐待の記事に目が留まる。
 大阪市は、虐待の通報があり緊急性がある場合は、消防隊員が現場に直行して窓枠を壊したりして中に踏み込んでもいいように「調整中」という記事。
 
 なんつう恐ろしい・・・。

 さすがに児童相談所の職員が、「児童相談所は子どもを引き離すことではなくて、その後家族が一緒に暮らせるようにするのが最終的な目的なのだから、それでは母親との信頼関係がとれなくなる」とコメントしていた。
 どこかから匿名の「通報」があり、消防隊員が突然やってきて我が家の窓を蹴破り、泣き叫ぶ我が子を「保護」していく・・・。まるで、「精神障害者」の歴史を聞いているみたいだ。どこかから「あそのこ家の人はおかしい」という通報が保健所に入り、警察と相談員がやってきて、入院させてきた歴史。

 子どもに罪はなく、保護すべきだから?そりゃそうだ。正し過ぎる。
 でも、子どもは親を庇う。どんなにろくでもない親でも、庇おうとする。
 一度、消防隊員に踏み込まれて「事なきを得た」子どもと母親は、その後はもっと必死に、自分たちのことを「隠そう」とするだろう。親は「泣くな」と怒るだろうし、子は声を押し殺して泣くだろう。責めるだけでは嘘隠しがうまくなるだけ。恥部をさらけ出せない社会ができるだけ。

 しかし、メディアが「住民からの通報」と言うとき、何の躊躇もなくそこには「善意の」という暗黙の前置きが存在するけれど、本当にそうなのか?
 「なんか、隣りの家の子どもの泣き声がうるさいんだけど、虐待じゃないの?」という電話をかける。名前も名乗らない。声もかけてあげない。どんな親子が住んでいるのかも知ろうとしない。でも「私はちゃんと通報しましたよ」という免罪符だけは得る。そういうことは想定しないのか?
 とんでもなく悪人の親が、いきなり虐待に及ぶわけじゃない。
 その「哀しさ」も分かろうとせずに、自らの手も汚さずに、通報するのは、「善意の市民」なのか?
 

 
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by bag-tentomusi | 2010-08-29 22:31


「知彩庵」より。日々の咀嚼と、紡ぐことば


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