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酒遊館にて

 定時出社にて、近江八幡へ出かける。
 職場からは、2時間の道のり。JRで天王寺を越え、大阪を越え、京都を越え、草津を越え・・・。なのに、乗客数が減らない!駅弁でも買って楽しく行こうかと思ったのに、立ちっぱなしだった。滋賀県って、大阪から通勤圏内なのね・・・。
 近江八幡駅にておにぎり二つをかきこみ、タクシーにて『酒遊館』到着がライブスタートから30分遅れの7時半。「そこまでして、行く?」とここ1週間、何度か自問自答しながら結局到着した先からは、すでにギターとピアノの音色が響いていました。

 『ソウルフラワー・アコースティック・パルチザン』のライブが、近江八幡の古い酒蔵を改造した会場で行われる。しかも、500円のチャージで地酒飲み放題!というわけで、「わざわざ」すごすごと出かけて行った。ちなみに友人は、東京から参戦。こちらの方が、わざわざ度は高し。

 地酒は、何の銘柄だったか結局分からなかったけれど、すっきりとしていて、大変に美味であった。それを樽から柄杓で自由にすくい、ガラスのコップに入れて、ちびちびと飲みながら、好きなライブを聞く。酔いに任せてゆらゆら揺れる。何という幸せな時間。舐めるように味わっているのに、地酒はコップからどんどんなくなっていく。
 『酒遊館』は、20~30人も入ればいっぱいになるような空間で、音の響きも良く、白塗りの壁が幻想的でもあった。途中、リクオさんが忌野清志郎さんと共作したという音楽を演ってくれる。死者を思う。
 30歳を過ぎて、あちら側の世界へ行ってしまう人たちが少しずつ増えた。そういう人たちがいて、私たちはたまたま順番でこっちがわで命を燃やしているんだねぇ。そういうことを感じられるステージでもあった。亡くなったボスを思って、初めて涙が出る。

 それにしても、日本酒をちびちび飲みながらのライブの、なんと素晴らしきことかな。お子様には、ちょっと楽しめない時間の使い方なのさ。
 やっぱり、大人になるってことは、子どものときに想像していたよりもずっとずっと「自由」になることだと思うし、そういうことをちゃんと、次の世代に伝えていかないといけないよねぇ、などと友人と語り合いながら、雪の近江八幡の夜は更け行く。
by bag-tentomusi | 2011-01-12 15:26


「知彩庵」より。日々の咀嚼と、紡ぐことば


by bag-tentomusi

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