2009年 08月 30日 ( 1 )

出会いと別れと

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 大阪は交野市の酒蔵へ、お料理と地酒を味わいに出かける。交野市へは初めて訪れたが、こういう古い町が残されていることが、まず嬉しい。地元の米を使ったもので、大吟醸の生酒と、純米大吟醸をいただいた。
 最近、地酒がもてはやされているけれど、うちの父(酒問屋)はあまり地酒に興味を示さない。菊正宗や白鶴や月桂冠といった「普通の酒」をが美味しいと言うし、実は私もそっち派。それらの大手酒造メーカーが安物の酒を売り出して自分たちの質を下げてしまったことは、自業自得ではあるけれど、残念なことだと思う。今、日本酒好きの人で、好きな酒に大手メーカーの名前を挙げる人はあまりいない。でも、大手メーカーが出してる「本気」(笑)大吟醸とかを自宅で飲む機会に恵まれた私は、そんな酒はやっぱり本当に洗練されてて、さすがだと思う。失礼ながら、地酒の田舎臭さとは違う貴族の味がする。どんなに薄利多売主義に走っても、組織内には引き継がれてきた職人のプライドがあるのだと、信じたい。

 職場が異動する話を、担当の患者さんたちに伝えている。
 派手な感じのおばあさん(?)がいて、その方に「いややー」と泣かれて参った。
 「うちな、スタッフのなかであんたが一番、しっかりしてると思うねん。ほんで、あんたが一番恐いねん」
 「え?そうなんですか?」
 「うち、頑張ったのに。いややー(泣)」
 「(笑)今度くる人は、私よりやさしいですよ」
 「・・・。そうなん?でもー(泣)」

 担当していた方は、こちらはそれぞれに思い入れがあるけれど、向こうの反応は十人十色で「あーそうですかー。はいはい、分かりました」という人がほとんど。そんなに皆に密にかかわれたわけではない。それでも、数人はそれなりに想いを持ってくれているようで、その想いを素直に表現してくれるような人たちではないけれど、なおさらやり切れない思いになる。「恐い」と言われるように、厳しいことを言ったりぶつかることの方が多かった。それでも慕ってくれた患者さんがいることは、本当にありがたい。今度、一緒に就職の相談に行くのが、こちらでの最後の仕事になるかなぁ。

 今うまくいっているようでも、明日にはどうなっているか分からない病気。「また、元気な顔で会いましょう」と声をかける。本当にそうであって欲しいと思うけれど、その確立は低いことも知っている。
 それでも、くそったれな人生の中でほんの少しでも「うまくいった」経験があることが、何かの力になればいいと思う。出会いと別れがあって、それでも明日が続いていくことが、なんだか不思議な気がしてくる。

 なぜだか、私も古い友人に会いたくなった。
 
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by bag-tentomusi | 2009-08-30 23:59


「知彩庵」より。日々の咀嚼と、紡ぐことば


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