2011年 12月 27日 ( 1 )

あとから来る者のために

 福井県小浜市の住職さんで、中島(上に「山」がつく)哲演さんとおっしゃる方がいる。
 小浜市は「原発銀座」のなかに位置しながら、ただの一つも原発の立地を許してこなかった市だ。
 中島さんはそこで長年、運動をしてこられた方で、以前に何かのドキュメンタリーで拝見してから、一度お話を聴いてみたいと思っていた。
 
 先日、知人が中島さんをお呼びして講演会をするので受付を手伝って欲しいと言うので、受付がてらお話を聴きに行った。
 中島さんは、雪の降る小浜から黒い長靴と袈裟という姿で来られていた。
 
 福井県は決して、原発を黙って受け入れたのではない。
 「叫びたいほど反対です」と言った主婦の声に代表されるように、大規模な反対運動があった。
 しかし、2600人のデモがあった大井町でも、「もの言えばくちびる寒し」、最後にはたった4人の住民が沿道から応援するのが精一杯という状況になる。
 今、福島第一原発の残骸は、ただの放射能とコンクリの残骸ではなく、「システムの残骸」に、中島さんには見える。「麻薬患者の末期症状」のようになってしまった地元。その「ミニ原子力ムラ」と、戦時中、沖縄に押し付けられる米軍基地、そして「今の空気」との共通点。

 私に宗教はないが、中島さんのお話は、先祖によって「生かされてる」ことを感じさせるものだった。
 「何もない」とされた福井で、命をかけて声をあげた人たちがいたということ。その事実に、有難いような、申し訳ないような気持ちになる。
 そして、40年間で50万人の原発労働者という「ヒバクシャ」の存在。
 きっとそういうことを伝えることが、教育なのだと思う。
 「あとから来る者」のために。
 

 
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by bag-tentomusi | 2011-12-27 21:18


「知彩庵」より。日々の咀嚼と、紡ぐことば


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