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お誂え その2

b0180333_0132857.jpg 昨日からぐっと冷え込んだので、湯たんぽを購入。人肌うさぎ(笑)。

 有馬のsolusさんのもとにて、自分用の財布を誂えていただく。

 アトリエには、様々な種類の革がごろごろと転がっていて、先日の呉服屋のような様子。何のプランも全く持たないまま、恐る恐る革を広げてみる。
 当初のイメージにあった雰囲気の革を広げ、友人も含めて3人でボタンの飾りをつけたり、色々組み合わせてみる。「おー、いいねぇ」となったところで、最初から気になっていた(しかし当初のイメージとは違う)革を横に並べてみて、あっさりノックダウン。そっちへ転向。個性的ながら、落ち着いたものに仕上がりそうな予感がする。

 私は子供のころから、「これが欲しい」と言うまですごく時間のかかる性質で、もじもじしてて、よく親から「早く決めなさい」と怒られた。欲しいものをサッと言葉にできたり決断できたりする人はすごいなぁと今も思うし、そういう人の方が、周囲も助かるかなぁと思う。
 でも、作ってくださる方とお話をしながら自分が欲しいものを求めていく作業はとても楽しくて、私は手に入れたものを、その工程も含めてずっと大切にするだろう。「買う」という作業は、本来こういうことを言うのだろうと話しながら、バスに揺られて大阪へ帰った。

 6年前、何もかもがうまくいってなかった年の新しいスタートのときに、今使っている財布を買った。それまでは、高校入学のときに買ってもらったものをずっと使っていた。30歳を過ぎて、そろそろ長財布を持っていい歳になって、最初に財布を作りたかった。
 年月を重ねた人との出会いが、新たな財布との出会いを作ったのだと思うと、なかなか素敵なことである。
 
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by bag-tentomusi | 2009-11-20 00:57

「ろじ式」

 b0180333_043672.jpg「大阪文学学校」だった人たちと、難波の精華小劇場へ維新派の「ろじ式」というお芝居を観に行く。
























 噂には聞いていたとおり、まったくストーリー性がなくて、何が言いたいのかさっぱり分からんかった・・・。ほとんど台詞もない。
 でも場面は絵画的で、光の使い方も面白くて、分からんなりに楽しめた。
 ただ一部分、どうしても睡魔に勝てない場面があって、あとで聞いたら皆そうだったらしい。
 よかった・・・芸術を解さない奴だと思われなくて(笑)・・・。

 観おわってから友人が、「やっぱりストーリーがあった方が、引きこまれるんやなー」と唸っていて、面白かった。彼の書く小説は、ストーリーないからねぇ(本人に言わせると、あるらしい。確かにあることはある)。でも、表現だけでも十分読ませる彼は、それはそれですごいと思うんだが。
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by bag-tentomusi | 2009-11-17 00:07

カメさん

 大阪市立自然史博物館での「大阪自然史フェスティバル」なるところのとあるブースに、友人もいるというので出かけてみた。
 自然史博物館は、大阪の暮らしと密着した自然の歴史を紹介している博物館で、なかなか面白いところである。干潟とか里山とか、へーっ・・・ていうことが多い。小さい図書館とか売店があって、売店の売り物はなかなかナイスチョイス。毒キノコのピアスとか、蛙のストラップとか、すごい魅惑的・・・。
 
 今日は「フェスティバル」なので、いろんな「自然」関係のブースが出ていたけれど、多くが地元の自然を調べたり守ったりする意外に「地味な」活動で、興味深かった。
 里山を残すか開発するか・・・みたいな議論は、それぞれの価値観や生活や、いろんなことを巻き込んで、最終的には単なる「里山保護」以上の問題になるから、本当にすごく難しくて奥の深いことなんだろうなぁと、勝手に思う。
 友人はカメさんのブース。以前、彼女とカメさんの話をしてて、カメって文化としても語られるのだということを知り、「保護」をめぐる考え方は、民族とか戦争とかの理屈ともつながるんやーとかいう話になって、「自然」ってのは「自然」だけであるのではなくて、共存する人間の本質的な部分も実は浮き彫りにしたりするんやな、すげー、奥が深いなー、・・・などと、しゃべり続けた記憶がある。
 これは私が勝手に思ったことで、全くカメさんのことは分からないけれど、それ以来、どうもカメさんが目につくようになってしまった。不本意だ・・・(笑)。

 手ぬぐいをオトナ買い。
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by bag-tentomusi | 2009-11-16 01:13

いかとチロリ

 いやぁ。イカがいい仕事してます。

 週末に、すっかり居候先となった友人宅で宴会が催される。と言っても、友人の夫が開いた宴会でしかも友人は不在。8割がたはどこのどなたかよく分からないまま、「勉強会」という名の飲み会の夜はふけて行った。
 夫さんから、「この人は、今日はそれなりの格好をしてますが、普段は私が家に帰ったら、ジャージでそのへんに寝転がっている人です」と皆さんに紹介していただく。
 いやぁ、いつもすみませんねぇ。

 着物師匠なTさんが、一升瓶とチロリと網と干しイカを持って来てくださった。
 このイカが、素晴らしく美味しい。
 帰りに、残ったイカ3枚とチロリと網まで頂戴した。フルセットである。
 いやぁ、いつもすみません。
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by bag-tentomusi | 2009-11-16 00:05

「着る」ということ

 休みの日に、着物を着て過ごしてみたりしている。
 祖母の箪笥から引き抜いてきた着物と帯を、身にまとう。
 帯を締めるとき、後ろに手を回して「て」を仮止めする所作や(私は、前でお太鼓を作るので)、仮紐をすっと抜き取るときの所作が、なんだかとても潔く思えて、好き。江戸時代の浮世絵の一場面を思い浮かべたりする(大袈裟)。
 まだ、一応は納得いく形で着るまで1時間弱かかるけれど、ああそうか、「着る」というのはこういうことか、とか思う。
 そういう日は、きちんとご飯を作ったりする。 
 日常に、ちゃんと手間をかけるということ。豊かさ。

 よく晴れた日曜の京都へ、3人の着物師匠に連れられて着物の展示会へ行った。
 「着物の展示会」!活字にしたらすごいセレブリティーな響きである。
 この日は、祖母が昔、誰かにもらった布を染めたという紅型っぽいピンクの着物を、後年さらに上から格子柄に染め直した小紋を着て行く。染みができたり歳を重ねたりすると、染め直して着続けることができるのは、着物のすごいところのようだ。

 私は祖母の着物を着ているけれど、それは私にとって「大好きなおばあちゃんの着物」といった類のものでは全くないし、着物につまった思い出も、そんなにきれいな思い出ではない。祖母も曾祖母からいろいろ苛められたらしいのに、曾祖母の着物を受け継いでいるし、着付けも曾祖母譲りのものだと言う。そんなふうにして今、年月の流れのなかで私が同じように彼女たちの着物に袖を通していることは、何だかとても興味深いことのように思う。

 師匠たちとともに「そばの実 よしむら」で昼酒を楽しんだ後、いざ会場へ。
 それは落ち着いた畳のお部屋で、ごろごろと反物が転がっている。
 高松にある「着物ギャラリーあん」さんが行っている展示会で、お母様と娘さんがお二人でされているのだけれど、嫌味な商売気が全くなくて、それはもう、さながら「接近可能な美術館」という感じ。b0180333_1145146.jpg
 紬の反物をくるくるーっと広げてみて、ひゃーきれいな柄。帯もあわせてみて、ほら、こんな帯揚げにしたら雰囲気かわりますよ。これは、木綿で、これはウールで、こういうときに着るの。
 師匠たちに温かく見守られながら、そういう作業を何回もさせてもらう(普通、「展示会」ってのはそんなことは出来ないらしい)。「着物」というより「布」との対話という感じなのかな。きっと、お母さんと娘さんは、布を愛してるんだと思う。本気で、呉服屋さんになりたいと思ってしまった。

 そして、ついに初めての「お誂え」を体験。
 歴史に新たな一枚が加わりました、とさ(大袈裟)。

 
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by bag-tentomusi | 2009-11-15 01:22

熱燗な夕べ

b0180333_16452315.jpg 正倉院展と「阿修羅像」騒動で人がごったがえしている奈良公園にありながら、浮見堂は静寂な秋の気配を漂わせております。
  
 連休の中日に、京橋の「わさび」という日本酒が美味しいお店へ、Tさんと飲みに行く。肴をたくさんと、熱燗を二種類。ちょうどいい温度で、ほっこり。酒を無視した熱すぎる熱燗は、愚の骨頂である。お湯飲んどけ!
 Tさんが着物だったこともあり、カウンターの隣に座ったおじさんが話しかけてきた。
 おじさんには息子さんがいて、早く結婚してもらいたいらしいが、どうも息子は「派手な」女性が好みで、おじさんとしては気に入らないらしい。
 「わしとしては、あんたみたいな地味な子が嫁にいいんや。電話番号教えてくれへんか?」って、どういうことですか!?その隣りで笑ってる奥様が、怖かったです(笑)。
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by bag-tentomusi | 2009-11-04 17:07

「社会」

 とある作業所の、10周年記念大会に参加する。
 この作業所がすごいと思うところは、近隣の高齢者施設の理解のもと、ボランティアや「仕事」として介護や清掃などの機会をメンバーが得ているということ。もともと障害の特性上(?)、一般の精神障害者の作業所で行われているような、いわゆる「内職」作業は、うまくいかなかった経緯もあるらしい。

 病気から「回復」していくなかで、焦って仕事に就くことは、大きなリスクを伴う。一方で、病気によって「社会」のなかで奪われていったものは、「社会」のなかでしか取り戻せない。それは、挨拶をすること、朝起きて夜寝ること、座ってご飯を食べること、信じること、受け入れること、許すこと、落ち着くこと、嘘をつかないことなど。

 彼らが高齢者施設で働くことによって、「お年寄りに世間を運んできた」こと、そして施設のスタッフに「働くこと」の意味と「人生はやり直しがきく」ということを問いかけたことの意義は大きかったと、その施設長から報告があった。
 作業所へ通っている方たちはもともと、几帳面で真面目で融通は利かないけれど世話焼きでやさしい人たちが多い。それゆえに、と言うと語弊があるかも知れないが、うまく「社会」でやっていけなかった人たちでもある。そんな彼らが、人生の黄昏を迎えた方たちに対してどのような接し方をされているかは、想像に難くない。
 
 今日は最後に、作業所メンバー全員が舞台で歌を歌って終了となった。、彼らの背景にある人生や抱えているものはそれぞれにハードで壮絶なもので、そんな彼らが同じ場にこうして集って生きているということは、それだけで十分に胸を打つものであるということ。
 そういうことを「知る」機会を得たことを、ありがたいと思う。
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by bag-tentomusi | 2009-11-02 01:54


「知彩庵」より。日々の咀嚼と、紡ぐことば


by bag-tentomusi

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