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加虐と被虐

 姜尚中さんと森達也さんによる『戦争の世紀を超えて-その場所で語られるべき戦争の記憶がある』を読み進めている。
 アウシュヴィッツを舞台に、加虐と被虐について二人が語る。
 「加虐する側へ思いを馳せない限り、つまりナチスの心情や営みを想像しない限り、彼らのモンスター化は進み、嫌悪と憎悪だけが輪廻し、僕らはまた同じことを繰り返す」と言う森さんと、「我々はどうしても了解不可能なものを、最終的に狂気と言ってしまう。そう言ってしまう自分の条件は何なのかが問われているにもかかわらず、自分は正気だという、自分側のスタンスによってしか物事は見えない」と言う姜さん。了解不可能なことを、「自分とは違うスタンダードのなかにいる」とすることで、私たちは、考え、煩悶することを停止させてしまう。そして思考が停止したとき(動いたときではなく)、新たな加虐を生む・・・というのは、これ以外でも、森さんが一貫して伝えようとしていることでもある。

 この本を読んでいたからというわけではないが、子どもに対する親の「親権停止」が今より容易になるというNHKのニュースを見ていて引っかかる。親権停止の背景としてある幼児虐待に対して、キャスターが「そんな親がいること自体が、信じられませんね」とコメントしているのだけれど、ブラウン管に向かって、「お前の子育ては、そんなにうまくいってるのかよ?あぁ??」と、嘯く。
 間髪いれずに記者が、「だからこそ、法律できびしくして・・・」と言うという番組の流れだったが、そういう論旨の組み立て方自体が、何だか危ういんじゃないかなぁ。
 虐待する親は「狂気」であり、自分たちのスタンダードとは違う、という思考停止。
 ならば私たちは、本当に「正気」なのか?

 子どもに対する「親権停止」があって、一方で、成人した精神障害者に対する「保護者制度」なるものがある。別問題だし、仕方がないのかも知れないけれど、それでも感じてしまう微妙な矛盾と言うか、違和感を、どう捉えたらいいのか。少なくとも、自覚的であれ、と、森さんは言うのだけれど。

 姜さんと森さんの本は、まだ読み始めたばかり。こんなに疲れずに読める対談本は、私にとって珍しいと思う。それは、特に森さんの考え方が昔から「好き」で、疑ったり怒ったりせずに二人の会話を楽しめるからだと思うのだが、よく考えたら、それ自体、森さんの言う「思考停止」になっているのかも?という皮肉。
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by bag-tentomusi | 2011-02-16 01:00

収容所でカニ?

 かに・甘えび・ふぐ鍋食べ放題と縁結びのパワースポット『鳥取・白兎神社』!・・・という、某旅行会社主催の日帰りバスツアーに参加してみる。
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 関東に住まう友人からの情報によると、大阪と違って東京の方では、「食べるためだけのツアー」というのはほとんど見られないないらしいが、連休初日の今日、大阪出発、カキやらカニやらの「食い物ツアー」は、どこも満席状態。結局、友人が探してきたのが、このツアーだった。縁結びのパワースポットは必要なのか??

 この手のツアーに初めて参加したが、とにかくひたすら食べ続ける一日となる。
 それにしても、「かに・甘えび・ふぐ食べ放題」の会場である、砂丘センターなるところが、すさまじかった。
 メガホンを持ったお兄さんの案内で、1000人くらいは収容できるであろう大食堂に案内されると、そこは一心不乱にカニを食べる、ツアー客たち。長机に狭そうに座り、(カニなので)食卓に彩りもなく、(カニなので)ほとんど会話もなく、ただ無言でカニをほじくる大量の人・・・。ここは、いったい・・・。
 「黙って食え!」と、憲兵が見回りをしてるんじゃないだろうか、という気すら起こる。
 それはそれで、おもしろかったが、「次回は、もう少し金を出そう」という結論に至る。安かったんです、このツアー。でも、そうまでして、カニを食べたい人は、世の中にたくさんいるらしい。
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 パワースポットは、なかなか雰囲気は好きな神社だったが、とても小さな地元の神社なのに、ツアー客がどんどんと押し寄せていた。自分のことを棚にあげて、なんだかなぁ、だ。
 ここでは、石を投げて、鳥居の上にうまく乗せられたら願いが叶うらしい。友人は3回目で成功。
 私・・・。何回投げても乗らない。通りかかる人々に、「もうあかんで」とまで言われ、断念。
 なんだか、いかにもな、参拝客となる。

←仕方がないので、兎さんの右手に石を乗せて帰る。よろしくね。
 
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by bag-tentomusi | 2011-02-11 22:00

勝手知ったる・・・

 恒例のS会へ参加。
 久々に、かっぽり飲みました。
 酔った頭に、潔い会話と冷たい夜風が気持ちいい。
 あー、楽しかった。

 終電で帰るつもりもなく、勝手知ったる友人宅に宿泊。

 入浴中に、寝床にセットされていた品々。
 酔い覚ましのお茶と、寝る前のご本たち。
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  カール・マルクスのマグカップと、選び抜かれたであろう漫画のチョイスに、私への深い深い友情を感じさせますなぁ(笑)。
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by bag-tentomusi | 2011-02-05 22:57


「知彩庵」より。日々の咀嚼と、紡ぐことば


by bag-tentomusi

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