人気ブログランキング | 話題のタグを見る

つやつやの葉っぱ

 我が「同居人」であるガジュマルの盆栽が、ものすごく元気である。我が家にやって来て1年半ほど、枯れはしないけれど茂りもしないと言うか、ヒョロヒョロの全然「南国」っぽくない奴だった。それが先月あたりに一斉に葉を落とし、「ああ、とうとう枯れてしまうな」と思ったら、青々とした緑を吹き返した。一度裸になったあとの葉は、つやつやしてる。
つやつやの葉っぱ_b0180333_23595174.jpg
 友人の誘いで、門真市の国保実態調査に参加した。2日間で400名近いボランティアが参加して、800世帯近い回答を得ることが出来たらしい。一つ一つのお宅を訪問して、生活実態を聞き取っていく作業。
 私が担当したところは、7年前に売り出された分譲住宅で、3階建ての戸建てが密集した地域。ほとんどが子育て世代の社会保険世帯で、残念ながら国保世帯には出会えず。その後、門真団地の調査へも少し加わる。
 門真団地は昭和40年代にできた広大な団地で、いくつもの棟が並ぶ中にたたずむと、郷愁のなかへ吸い込まれるような、奇妙な気持ちにさせられる。黄昏どきの団地を歩きながら、この団地が賑やかだったときのことを思う。そしてふと、その前に訪問した分譲住宅地の50年後を想像してみる。今は賑やかなあの地域の未来の姿は、今の門真団地にある。3階建ての独立した狭い戸建て住宅で、高齢化した今の現役世代が、果たしてどうやって暮らしていくのか。次々新しい住宅地を作っては、現役世代ばかりが移り住み、順繰りに「高齢化地帯」を作っていくような開発の仕方は、いい加減無理があるのじゃなかろうかと思う。

 今回の調査には若い学生さんも参加していて、門真団地の住人の方たちはご自宅に招き入れてくれたりして、話を聞かせてくださったそう。『反貧困・相談会』に参加したときも思ったけれど、「相談」の前に「世間話」すら欠如したなかでの暮らしが、本当にたくさんあるのだと思う。必要なのは「解決してくれる人」の前に「一緒に困ってくれる人」だということ。
 
 こういう大きな「ソーシャル・リサーチ」に参加したのは初めてで、「ケース」がどのように「ソーシャル」なものになっていくのか、体感してみたかった。今回自分が出会った方や、他の方の感想を聞いていても、日々の仕事で出会うことと大差なく、学生さんの「感動しましたー」的な感想を聞いていると、日々自分が、どれくらい貴重な出会いを与えてもらっているのかを、ひしひしと感じる(そういう点では、「その質問の仕方はあかんやろ」とか「テレビ局の人の質問、誘導しすぎ」とか、内心の突っ込みも多かったけど)。
 この調査が、「声なき声」を拾うことで制度を変えていくかも知れない。
 なるほどなー、と思いつつ、私はこれからも、目の前の一人一人にかかわるミクロなことを、もう少しだけ、がんばってみようかな。その後ろにある景色を眺めながら。

 「右眼でファインダーを。左眼でそこには映らない世界を」。フォトジャーナリスト、長倉洋海さんのお言葉。
by bag-tentomusi | 2009-10-27 00:04


「知彩庵」より。日々の咀嚼と、紡ぐことば


by bag-tentomusi

S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

_b0180333_232545100.gif

外部リンク

以前の記事

2013年 11月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月
2009年 11月
2009年 10月
2009年 09月
2009年 08月
2009年 07月
2009年 06月
2009年 05月

検索

その他のジャンル

ファン

記事ランキング

ブログジャンル

画像一覧